ネットの世界を含めてV/ELF帯域に分類される観測システムについての 具体的な解説を目にすることは少ない。書籍でもロシア製の計測器を使用 した観測系の紹介はあるが、 中身はブラックボックスに等しい。また、某所においても全国に観測点を 設けてデータ採取を行っているようであるが、その全貌はほとんど公開 されていない。データが示すところの結果についての社会的な影響に ついては理解できるが、観測システムを公開しないのは私には甚だ疑問で ある。
そこで、極めて粗雑で簡易的であるが、私の観測システムの解説を行い たいと思う。アンテナ〜ポストアンプまでの構成はELFと同一なので一部省略する。 システムは大きく次のブロックに分けられる。
いずれもイーサネットケーブルを線材として使用したループアンテナである。 巻き数、同調用コンデンサの値は周波数によって異なる。 イーサネットケーブルは内部の4組の線をそれぞれ単独の線として取り扱うことにより、 単線で断線しやすい欠点はあるが、安価で安直に長い物理長を実現することができる。
太陽電池パネルの箱の中には 三洋電機製太陽電池が4枚直列に接続されて 収められている。(写真左側は3.5inchFD)これは"埼玉「うさぎ」"さんの電卓実験の科学的根拠に 少しでも迫ろうという(日本初?の)実験である。web中を探し回ったが、少なくとも 日本では地震宏観現象把握の為に太陽電池の出力を記録・公開した例は 皆無であった。同様の試みをされている方がおられたら、是非連絡して ほしい。
何しろ何を捉えているのか皆目検討がつかない状況なので、とりあえず誘導ノイズをキャンセルする為の インスツルメンテーションアンプを接続して、その波形を観測してみることにする。
いずれもイーサネットケーブルを線材としてφ40の排水用塩化ビニルパイプ の中に通しループアンテナとして製作している。 同調周波数を求める為にば低周波発振器とオシロスコープを使用した。 ディップメーターが使用できる周波数であれば、短時間でアンテナの同調周波数を 求めることができる。
ディップメーターを使った方法:安直に同じ長さの電線を同じ巻き幅・回数に 巻いて最も低い周波数で同調するコア材を選定する。非常に低い周波数で使う のでこの安直な方法で良い。
低周波発振器とオシロスコープ:安直に同じ長さの電線を同じ巻き幅・回数に 巻くところまでは同じだが、発振器の周波数を丹念に変えて同調点を探す根気 が要る作業となる。低周波発振器の発振周波数以上で同調しているようであれば 電線の長さ・巻き数を増やす必要がある。
アンテナが完成すれば、防水性が良い容器に入れるがこの場合水道管用塩ビ パイプがベストである。安いし長持ちする。灰色の標準品で十分であるが、 強化型と称して黒色をしたタイプも市販されている。どこのDIYショップでも 入手可能であろう。但しφ40以上の太いパイプは割高になるようである。
アンテナ出力〜コモンモードノイズキャンセル回路〜RFアンプまでは周波数が異なるのみで構成は同一である。 RFアンプ出力は英国ピコテクノロジー社製の ADC-11に接続している。ADC-11は台湾IEI社製WAFER-6820から制御される。
<VLF,ELF制御用ソフトウェア>
wavdump,gnuplotを除いて、全て自作perlスクリプトである。