SINCE 2006/11/5
<懐かしのトランジスタ>
私が初めて見た「高周波トランジスタ」2SA101。松下製。当然キャンタイプでハーメチックシール。 もちろんゲルマニウムトランジスタ。当時、トランジスタは半田付けの熱に耐えられず、足に 放熱クリップを付けて作業するよう指示していた記事も多かった。「放熱クリップ」、今でも あるのだろうか。時は流れて、ふたたびゲルマニウムが脚光を浴びている。低い電圧から動作する 特性から見直しが始まった。昔のゲルマニウムの特性が悪いのは元素の性質のせいではなく、 純度の低さから来ていたことが分かったからである。SiGe素子というデバイスも登場した。
この業界に居て2SC372を知らない人はモグリでしょう・・・というのはりっぱなおじさんになった証拠 のように思う。袴付きパッケージ。東芝さんの最高傑作トランジスタの一つ。CQ出版社「トランジスタ規格表」 (今でも出版されているのだろうか)で外形タイプの数で他を圧倒した"138"タイプのひとつ。
トランジスタは同じ品番でもhfeランク等で選別されている物が数多くある。さて、この場合の"L"は何を 分類したのか分かる方はおられるだろうか。正式品番"2SC945L"。ローノイズ選別品である。詳しく書くと 私の素性が分かってしまうので、このくらいで・・・。これはNECさんの傑作・超汎用トランジスタである。 2SC1815に取って代わられるまで汎用品の王者として君臨した。
電界効果型トランジスタ(Field Effect Transister)という摩訶不思議な名前の素子で初めて手にした デバイスはこれだった方も多いのでは?これも東芝さんの傑作FET。 2SK192というそっくりさんに取って代わられるまで君臨した。あ、2SK55もありました。デュアルゲートで あれば3SK35が該当するかも。
最後に珍品をひとつ。TRIOブランド名の珍品RFパワートランジスタ。某社(あ、Mマークで バレバレだが)が当時のトリオ(現在のケンウッド)向けにあるトランジスタをリニアリティ特性他 で選別しマーキングしたもの。 これも詳しい説明は避ける。残念なことに、私が持っているSRF1714は、とあるコンテストで 24時間酷使され、熱暴走で他界してしまった。それでも捨てるに忍びず保管している。
お約束:何しろ古いデバイス達なので、各メーカーへの質問は避けてほしい。