SINCE 2006/11/5
故 泉弘志先生の記憶
故 泉弘志先生が著作された記事が無ければ、今の私はなかったかもしれない。これは今でも大切に保管している 誠文堂新光社から昭和43年に発刊された「図解1・2石ラジオ製作集」である。この本の親にあたる「初歩のラジオ」も 既に廃刊になって久しい。当時は読者も「初ラ」派と「ラ製」派に分かれて製作を競いあった時代である。 私は「初ラ」派であった。泉弘志先生は初ラをはじめ、初心者向け記事を多数発表され、圧倒的な 人気があった(と思う)。最近、泉先生のご遺族の方の文章をどこかで見かけた。ある出版社が先生ご存命中の 写真を希望したが、先生の遺志で公表されなかった、という内容だったと思う。
このイラストも先生の手によるものと聞いている。「第1次配線デス」、これが先生の記事に必ず登場する記述・図面であった。 ここにたどり着いた方にとっては感涙物であることと思う。
これは同じ誠文堂新光社から昭和43年に発刊された「最新エレクトロニクス製作読本」のトップに掲載された 泉先生の記事の一部である。編者は初歩のラジオ編集部となっているが、同誌に掲載された記事の再編集ではないようだ。 (表紙は失われていて手元には無い)
これも「最新エレクトロニクス製作読本」に掲載された泉先生の「球と石をくらべる」という、現在では考えられない 比較記事である。この記事の中で泉先生はゲルマニュームトランジスタ(当時はこう記述されたことが多い)と 登場してまだ新しいシリコントランジスタと真空管の比較をされている。
泉先生の記事ではないが、これも「最新エレクトロニクス製作読本」に掲載された真空管式トランシーバーの 製作記事である。「最新」をうたっていながら真空管の記事が掲載されているところに時代を感じる。